鳥たちが、虫たちが、草木が、生命力を弾けさせている。命の奔流。生きるということは、このくらい烈しい熱量の爆発だということを教えられる。
生きるとはどういうことなのかを知りたければ、殺してみるがよい。一寸の虫がいかに激しく足掻くことか。しかしつぶしてしまった瞬間に、すべてが停止する。一瞬に失われ、二度と取り戻せない「それ」を感じるがよい。
生きるならば、必死でなければならない。懸命でなければならない。真剣に、本気で、妥協なく生きているか。単に忙しくすることや、無為に自分を痛めつけることは、真剣に生きることとは違う。むしろそこから目を背けることだ。
蚊に血を吸われそうになったら、叩きつぶす前に自問しなさい。命懸けで向かってきたこの蚊よりも、今日あなたは真剣に生きているか? 生命力で勝っているか? 「もちろん」とためらいなく答えるならば、力一杯仕留めなさい。「……」口ごもるならば、吸わせてやりなさい。全力で命を燃やす者への敬意として。