他人と比較して苦しむあなたへ

他人と比べて自分が優秀だのそうでないの一喜一憂するものではない。そういうのは言ってみれば受験勉強マインドだ。大人になったら人間はそんなに単純な一つの軸で評価できないことを知るべきだ。たとえ何らかの実績や昇進が非常に重要でも、それを達成する方法はいろいろあるし、だから何かの能力で劣っていても他を伸ばせばいいことだ。ふてくされるのをやめて自分のやるべきことをすることだ。

そしてとにかく前に進むことだ。自転車で先に出発しただれかを追いかけたことはあるだろうか。別に徒歩でもいいが。たいして出発した時刻は変わらないし、めちゃくちゃがんばって飛ばしたのに、追いつくまでは相当な時間がかかることに気づくだろう。人生もこれと似ている。とにかく遅くてもいいから進むのだ。アキレスと亀の話ではないが、相手が追いかけてくる間に自分はさらに進めるから、案外追いつかれないものだ。

特に大学院生について言うのであれば、とにかく自分なりの独自性を出してアウトプットしろって話だ。だってもうアウトプットがすべてなんだから。それ以外の表面的な「優秀さ」みたいなものはどうでもいい。そして、インプットは人と同じことをすることにしばしば意味があるが、アウトプットは人と違うことに意味がある。別に論文が人のものほどインパクトなくたって、数が少なくたって、独自性のある研究をしていればそれでいいのだ。それが自分の興味あることなのだから。何の不満があるのか。余計な感情を抱くのはやめて本来の興味に立ち返ることだ。あなたが研究に興味を持ったのは、そのころ知りもしなかったあの同期に勝つためではなかったはずだ。あなたはあなたの最先端を切り開いている。人類であなたが一番詳しいことがあり、あなたしか知らないことがある。つべこべ言わずに、その道を進むことがあなたの使命だ。さっさと戻ってそれを果たせ。