「いい子」という呪い

以前、ほんの短期間保育園でボランティアをした。子どもをあやしているときに、ふと口をついた、「いい子だね」。 ……どうして自分の口からその言葉を発してしまったのかわからなかった。「いい子」という言葉は嫌いだ。それは、呪いだから。 いい子、と言わ…

この世の中の息苦しさについて

学校では、息の詰まる空間なのに、まるでみんな楽しいふりをしている。教師、試験、そんな権力に晒されて逃げ込む友人関係は、自分を偽って役者となること。関係性のノリに飲み込まれて、いじるとかいじられるとか、バカとか頭がいいとか、したくもない役回…

「国際人になりたい」のパラドックス

私はある時期「国際機関で働きたい」とか思っていた口だ。そうすることが、私に国を問わない自由なキャリアを与えると信じていたから。 ところが、これはまったく逆であることにあるとき気づいた。国際機関というのは、要するにNation Statesがその利害関係…

分断された思考

(前回の記事の続き) ……と、こんなことを考えているうちに、この分断とつながりの表裏一体性は人間関係だけに見られる性質ではないのではないかと思うようになった。それは、思考様式とか、知識についても当てはまるものなのかもしれないと。 いろいろな知…

分断された世界

アクティブに学生の活動をいろいろしていて、SNSを活用していると、世間は狭いなと思う瞬間がたびたび訪れる。友達の友達は友達、つながってる現象。大学を超えて、国を超えて、予測を超えて、びっくりするほどいろいろなところでつながっている。でもこれは…

人生はチェックリストではない:「何事も経験」というまやかしと、パスする勇気

人生はチェックリストではない。アイテムを獲得、achievement unlocked、ステージ攻略、そういうゲームとは違う。なのに、人生をただチェックを埋めていくことを目的に生きているように見える人がたくさんいるように思う。自分もたぶんその一人だ。一度はあ…

私のいない世界

Facebookの友達かもに急に浮上してくる人がいる。プロフィールを見て、共通の友達を見て、「ああ、この人はあの場所であの人たちと出会ったのだな」とひとりごちる。そこにどんな言葉があっただろう。どんな想いがあっただろう。それは私には永遠に関係のな…

英語学習について

煽りタイトルをつけるならば「Be動詞もわからない大人が2年でTOEIC870点を取った英語勉強法」とかなるのだろうが、くだらないからそういうことはしないでおく。ともかく、本当に英語がわからない状況からほとんど独学で勉強したので、やったことや思うことを…

人生と飛び石渡り

人生は、飛び石を渡っていくようなものだと思う。ある石からある石へ、いくつかの居場所、人間関係、やること、ないしは価値観を持ちながら、順々に渡り歩いていく。 そこで大切になるのは、「自分の体重に気づき、自覚的に体重を乗せる」ということ。どこか…

空気を読まないこと

日本人は協調性を重視し、周りの様子をうかがいながら目立たないように行動するとよく言われる。と、ここで比較文化の話をしたいわけではない。程度は同じではないかもしれないが「空気を読む」のは人間に共通する性質だろう。 集団から逸脱して空気を読まず…

二世帯住宅はやめておけ

私の実家は二世帯住宅だった。その時の経験から言うと、二世帯住宅はぜったいにやめるべきだ。 このことは近年すでに言われていることのようだ。二世帯住宅は過去の考え方で、ものの本によると「スープの冷めない距離」なるものがよいらしい。すなわち、徒歩…

年齢を重ねること(2):老いることで失うもの

前回の記事ではおっさんになることについて、それがこわいということを書いた。今回はさらにその先、老齢になることについて考えてみる。老齢では、何を失うのだろうか。人は、どうやって老い、死んでいけばいいのだろうか。まだ早すぎる心配かもしれない。…

年齢を重ねること(1):おっさんになるのがこわい

わたしは恐れている、いずれおっさんになってしまうことを。きっときもくて使えないおっさんになって、時代遅れの考え方で若い人から白い目で見られることを。まだ若いと信じているうちに、外から見たらもうおっさんになることを。 わたしはしばしば、おっさ…

セカイはシステムでできている

この世界は、誰か個人とか、あるいはあるグループの意思で動いているわけではない、というのが最近の持論だ。この世界は、システムでできている。それは、実効的にコントロールする支配者を持たない。それは社会全員の意思の総体ではない。もっと超越的で、…

書くことは病んでいるしるし

ブログを始めて数ヶ月が過ぎた。これまでもSNSなどにまとまった文章を投稿することはあったが、こんなにいろいろな話題について思うままに書くことができる気楽さはリアルの人間関係から切り離したブログの媒体ゆえのものだ。こんなに楽しいとは思わなかった…

教養とは何か

今朝シャワーを浴びながら、教養とは何だろうと考えていた。その結果、教養とは次の3つで考えればいいのではないかという考えに達した。例によって先行研究は特に当たってなくて、今までどこかで見聞きしたことと自分で考えたことをごたまぜにして書くが、ま…

潮時を見極めること、逃げないこと

「潮時」という言葉1が好きだ。それは自然とやってきて、また去っていくもの。 人生において、日々の生活において、潮時を意識しようと心がけています。みんなと一緒にいても、どこかのタイミングでさよならしなくてはいけない。それは何年かを過ごした場所…

痴漢されること

もうずいぶん前の話だ。私は痴漢された。あのとき、私は18歳だった。先に書いたように、学校にもずっと行ってなかった。友達も誰一人いなくて、そもそも人との関わりをほとんど持っていなかった時期だ。ただこのころにはわりとふつうに話せるようにはなって…

バカって言うやつがバカ

他人がバカだと思ったら、あなたがバカなのです。他人の置かれた状況、持っている情報、その他もろもろの条件が異なるのに、なぜあなたと同じ思考で同じ結論に至り、同じ行動を取らないことをバカだと思うのか。その想像力の欠如がバカなのです。 他人がつま…

大学院生の独り言

学部生だったころ、きみと一緒に学食でカレーを食べた。カレー300円にするか、カツカレー400円にするか、よく迷ったものだ。ついでにサラダをつけるかどうかも、また迷ったものだった。そしてテーブルを囲んで、どうでもいい話をよくしたものだった。ときに…

「日本すごい」は自己成就予言である

スーパーで、150円のスペイン産のニンニクと、300円の国産のニンニクが売っていた。前者は貧相な見た目をしていた。後者は丸々と太っていて、いかにもおいしそうだった。私は自分の貧乏生活を呪いながら、国産ニンニクに恨めしい目を向けつつ、スペインから…

よき隣人であること:寮生活で学んだこと

大学生時代に寮で暮らしていたことがある。汚い寮だったけど、それも含めて今ではいい思い出だ。 「寮で出会った人がいまでは一番仲のよい友達」みたいな言葉をよく聞く。その人にとっては本当にそうなのだろう。でも、自分には違った。寮生活というのは根本…

私は学校に行かなかった

私の一人暮らしのアパートは、小学校のすぐ裏にある。朝になると、子どもたちのはしゃぎ回る声が聞こえる。おはようございますと挨拶しているのは、校門に先生が立っているからなのだろうか。しばらくすると、校長が何かマイクでしゃべり始める。よく聞き取…

知っている人をテロで失うこと

しばらく前の話をする。ある日、Facebookに知らない人から友達申請が来ていた。ふつう、こういうのはスパムだ。だけどその人物はずいぶん本物の人間っぽい投稿をしていた。単に写真を投稿するくらいならbotでも簡単だが、コメントで文脈をひろった会話が成立…

共感を土台にしたコミュニケーションの不毛さ

ああこの人は自分と境遇が似ている。同じようなことを考えている。同じ本を好きでいる……。 そんな「共感」をベースにして、私たちはついつい「自分はこの人と仲がいい、気が合う」と思ってしまいがちじゃないでしょうか。でも、それってあやういと思うのです…

言論識失調

大空を飛ぶパイロットは、感覚ではなく計器を信じるよう訓練されるという。「機体が逆さまだ!」偽りの感覚に誘われて、計器が故障したと信じ、そして二度と戻らなかったパイロットの末路からの教訓。 それは平衡感覚が失われる 「空間識失調」に陥るから——…

環境を変えるべき時、環境を変えざるべき時

“Get out of your comfort zone"みたいなフレーズをよく聞きます。"You’re the average of five people around you"とかも有名です。環境を変えなさい、そうすれば自分が変われる。もっと輝く自分になれる。そんな希望を与え、現状にひたったまま腐っていく…